1942年。

アメリカの工場で、一着のHBTジャケットが作られました。

 


photo: U.S. Army Signal Corps / U.S. National Archives


photo: Kaupman / U.S. Army Signal Corps

 

1944年6月、アメリカ軍はフランス北部・ノルマンディーに上陸。

その後、フランス国内を急速に進撃していくなかで、兵士たちが必要とする衣料や靴、装備、食料などを供給するため、各地に大規模な補給網とデポが形成されていきました。

そして1945年、戦争が終結すると、フランス国内には大量のアメリカ軍の余剰物資が残されることになります。

翌1946年には、アメリカ軍がフランス国内などに残した余剰物資を、フランス政府が取得するための米仏間の合意が成立。

さらに1947年には、連合国からもたらされた余剰繊維製品の一部がフランス軍へ配分されたという、興味深い記録も残されています。

 


1942 U.S. ARMY HBT JACKET

 

この一着のHBTジャケットもまた、アメリカからフランスへ渡った一着でした。

戦後もフランスに残され、誰に着られることもなく、約80年もの間、とあるミリタリーサプライヤーの倉庫で眠り続けていたのです。

今回、MSG & SONS(エムエスジーアンドサンズ)は、この1942年製のオリジナルを再びアメリカへ戻し、新たにHBTジャケットを製作しました。

しかし、探したのは単に「1940年代の服のディテールを再現できる工場」ではありません。

選んだのは、現在もアメリカ軍に向けた衣料品を製造している工場。

1942年から2026年へ。

84年という時間を越え、同じアメリカの地で、ミルスペックを理解する工場の手によって、もう一度このジャケットを作る。

それが、今回MSG & SONSが選んだものづくりでした。

 


MSG & SONS
M42 H.B.T.JACKET

 

HERRINGBONE TWILL、通称HBTは、1941年にそれまで使用されていたブルーデニムの作業服に代わるものとして、アメリカ陸軍に採用されました。

当初採用されていたのは、SAGE GREEN(OD No.8)と呼ばれる明るいグリーン。

しかし、その明るい色は戦場では目立ちやすく、より暗い色への変更が検討されていきます。

そして1943年3月、より暗いOD No.7が正式に承認され、その後徐々に切り替えられていきました。

 

 

今回ベースにした1942年12月製のHBTジャケットは、まさに仕様が切り替わる過渡期に製作された非常に珍しい個体です。

今作最大の特徴でもあるSAGE GREEN(OD No.8)のカラーをはじめ、ヘリンボーンのピッチ、生地のウェイトに至るまでオリジナルを研究し、当時の佇まいを再現しました。

ボタンも、ベースとなった個体と同様、鉄製の月桂樹ボタンをオリジナルで製作しています。

 

 

そして、このジャケットの製作を託したのが、先述した現在もアメリカ軍に向けた衣料品を製造している工場です。

84年の時を経て、このジャケットは再びMADE IN U.S.A.として形になりました。

84年前の仕様を、そのまま再現することだけが目的ではありません。

1942年に生まれた服が、2026年の今もなお、同じアメリカの地でつくられる。

その時間のつながりそのものを、この一着に込めています。

ぜひ、ご覧ください。

 

MSG & SONS
M42 H.B.T.JACKET

COLOR : O.D
SIZE : 36 / 38 / 40 / 42
PRICE : ¥74,800 (inc.tax)

RELEASE 09.19 SAT

関連コンテンツ