機能のために生まれたものが、美しさを持つときがある。
意図された構造が、そのまま形になり、飾り気もなく、ただそこにあ…。
それを美しいと感じるのは、きっと本能に近い感覚だ。
昔から、ミリタリーの機能美に惹かれてきた。迷彩のパターン、ジャケットのポケット配置、ボタンの数にすら理由がある。
見た目の派手さや流行より、何かを成すために生まれた構造には、奇妙な説得力がある。
そして、ロイヤルエアフォースのシャツに出会ったとき、その思いは確信へと変わった。
襟が取り外せる。それだけのこと。けれどそこに、時間と知恵と、兵士の日常への配慮が込められていた。
清潔さを保つため。糊を効かせて規律を守るため。
同じシャツを長く着るため。
すべてに「理由」があり、どれもが小さな正しさを持っている。
指先で襟の根元にふれたとき、ふと空気が変わる気がした。
機能が形になったものに触れると、その設計に込められた“誰かの時間”に、少しだけ触れたような気になる。
そしてその瞬間、自分でも可笑しくなるくらい感動してしまって、ひとり小さく笑って(LAUGHして)しまった。
こんなにも意味に満ちた一枚が、何の気負いもなく、ただ“シャツ”として存在しているということが、なんだかとても、愛おしかったのだ。
SCARF:MADRAS SCARF by ANATOMICA
TOPS:R.A.F SHIRTS - BRITISH OX by Arch
BOTTOMS:BJ by ANATOMICA
SHOES:WAKOUWA