-------------------- ▪️JACKET：CHARLY by ANATOMICA（54） ▪️TOPS : U.S.N POPLIN SHIRT MADE IN USA by MSG & SONS（L） ▪️BOTTOMS：TENNIS PANT ENGLISH MOLESKIN by ANATOMICA（46） ▪️SHOES：INDY BOOTS CHAMOIS by ALDEN（9HE） -------------------- かつての服装は、選択肢ではなく制約の産物だった。 一張羅のスーツしか持てなかった労働者は、上はジャケットで体裁を整え、下は丈夫なワークパンツで日常をこなした。 兵士は戦争を終えても軍服を着続け、学生はスポーツウェアを街に持ち込んだ。 そこにあったのは"おしゃれ」"ではなく、限られた服をやりくりするための生活の知恵だった。 しかし現代では、その無意識の混成が"スタイル"として意識的に選ばれている。 スーツにスニーカーを合わせることも、軍パンにジャケットを羽織ることも、もはや制約ではなく美意識の表明だ。 制限の中で生まれた必然の組み合わせは、時を経て、自由に構築するための武器になった。 ただいっぽうで、自由すぎる選択は、かえって流行を追うだけのファッションに陥る危うさをはらんでいる。 だからこそ忘れてはならないのは、制約の中にこそ宿っていた美しさだ。 限られた条件があったからこそ生まれた調和やバランスが、今もスタイルの根っこに息づいている。