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▪️TOPS 1:BIG A BLACK CHAMBRAY by ANATOMICA(16)
▪️TOPS 2 : SKIPPER POLO by ANATOMICA(4)
▪️BOTTOMS:CHINO Ⅱ by ANATOMICA(34)
▪️SHOES:PUNCHED CAP TOE KID LEATHER by ALDEN(10D)
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ブラックシャンブレー。
同じ黒と白の糸で織られた布なのに、国を越えるとまったく別の物語をまとう。
フランスでは、それはアトリエや教室で羽織られたコートの生地だった。
インクや絵具のしみを隠しながら、芸術家や教師の知性を覆い包む。
ブルーが工場労働者の色なら、黒杢は知識人の制服。落ち着きと威厳を帯びた「知のワークウェア」だった。
いっぽうアメリカでは、同じ黒×白の織りが、甲板や工場で汗を吸った。
ブルーシャンブレーが労働者の象徴として広まる中、影のように現れては消えていったブラックシャンブレー。
海軍のデッキワーカーや整備士が袖を通し、油や潮風に染められた布は、無骨な実用の証として残る。
インクかオイルか。
アトリエの静けさか、艦上の喧騒か。
ブラックシャンブレーは、同じ糸で織られながら、場所と時間によって異なる階層や職能を象徴してきた。
その二つの顔をまとうことこそ、この布をいま着る面白さなのだ。