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▪️JACKET:CAVALIERE by ANATOMICA(52)
▪️TOPS : MOCK NECK TEE S/S MICRO STRIPES by ANATOMICA(L)
▪️BOTTOMS:CHINO Ⅱ by ANATOMICA(34)
▪️SHOES:WAKOUWA LOW BLACKSOLE BROWN(10)
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モックネック(モックタートルネック)の語源は、タートルネックを模したという意図に由来する。
つまり偽物のタートルネックというわけだ。
けど、そんな言葉は気にしなくていい。
タイガー・ウッズだって、ゴルフのコースでそれを着て"本物"にしてしまった。
タイガー・ウッズが初めてコースでモックネックをまとったとき、それは単なるファッションの選択ではなかった。
それは伝統と革新のせめぎ合いのなかで、己の意志を貫いた宣言だった。
紳士のスポーツであるゴルフは、長く"襟付きシャツ"という形式美を尊んできた。
しかしタイガーは、その形式に縛られながらも、プレイヤーとしての最も純粋な欲求──動きやすさと集中力を高めること──を優先した。
"偽物の襟"と揶揄されることもあったモックネック。
だが彼の姿勢はそれをひっくり返した。
"偽物"であるはずのものに、自身の勝利と存在感を刻み込むことで、モックネックは本物となったのだ。
「名前が“モック”だろうと関係ない。
着ているのが俺なら、それはもう“リアル”だ」
と言わんがばかりに…。
だけどここで伝えたいのは、ゴルフの話じゃない。
街の歩道、カフェのテラス、ふとした瞬間のためのモックネックだ。
首元はすっきり、だけどただのTシャツじゃない。
ちょっとだけ高さのあるネックが、何気ないスタイルにちょっとした凛々しさを添える。
控えめだけど確かな存在感。
目立たないのに、着る人の芯がちらりと見える。そんな服。
無理せず、でも手は抜かない。
そのバランスは、まさに今の時代の気分にぴったり。
モックネックを着るってことは、よそ行きでもラフでもない、自分のちょうどいい場所で立つこと。
自分に正直に、でも周りに敬意をもって。
そんな静かな強さを、首元に込めているのである。