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▪️JACKET:USN FLIGHT JACKET by ANATOMICA(L)
▪️TOPS : SKIPPER POLO by ANATOMICA(L)
▪️BOTTOMS:TANGO by ANATOMICA(46)
▪️SHOES:PUNCHED CAP TOE KID LEATHER by ALDEN(10D)
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規律は美しい。だが、それに従うだけじゃ、魂が眠ってしまう。
USNのサマーフライトジャケット。
夏のコックピットで過熱する空気と戦うために生まれた、軽量で通気性に優れた一着。
薄手のコットンポプリンは風をはらみ、肌にまとわりつかず、まるで着ていないかのような軽快さをくれる。
本来ならば、空母の甲板で風を切るために設計された、機能性と統率の象徴だ。
その制服を、あえてパンツにタックインする。
タブーのような所作で、ミリタリーの美学にノイズを重ねる。
だが、そこにあるのは破壊ではない。再構築だ。
静かな反逆の先にある、自分だけのスタンダード。
首元にはスカーフを結び、胸元にはわずかな余白。
空気の通り道すらデザインすることで、
かつて命令が支配していた服の中に、呼吸を取り戻す。
トラウザーズの足元のロールアップと素足で、まるで「訓練には出ない」とでも言うような、私服の決意をにじませる。
これは軍服ではない。制服でもない。
規律に敬意を払いながらも、従わない。
自由に選んだ“快適さ”と、“ずらし”の美学が共存する、ひとつのスタイル。
パンクでも暴力的でもない、
不協和音の中で鳴らす、ひとりの着こなしのリズム。
それが、この一着を選んだ理由なのだ。