<プロフィール>
身長 : 180cm
体重 : 80kg
年代 : 30代前半
<普段の着用サイズ>
トップス : Lサイズ〜XLサイズ
ボトムス : 34インチ〜36インチ
シューズ : 28.0cm〜28.5cm
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▪️HAT : WATCH CAP by MSG & SONS
▪️TOPS 1:US NAVY C.P.O SHIRT MADE IN USA by MSG & SONS(L)
▪️TOPS 2 : MERINO MOCK NECK L/S SHIRT by ARCH(L)
▪️BOTTOMS:314 BEAT by ANATOMICA (34)
▪️SHOES:PUNCHED CAP TOE KID LEATHER by ALDEN(10D)
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まだタートルネックのセーターは時期尚早気味なので、メリノのモックネックロングスリーブが最優秀助演。
C.P.Oシャツにモックネックインナー、細身のパンツで気分はビートの詩人か、それともロックミュージシャンか…。
さてさめ、ロックの歴史を、音ではなく“線”で辿るなら、そこには一本の細い脚がある。
そのシルエットは、時代ごとに姿を変えながらも、いつだって反逆の輪郭をなぞってきた。
はじまりは1950年代後半、アメリカのビートカルチャー。
ジャック・ケルアックやアレン・ギンズバーグらが叫んだのは、豊かさに酔うアメリカへの違和感、秩序への倦怠だった。
彼らの着ていた黒いタートルネックやスリムなパンツは、
「俺たちはあなたたちとは違う」
という静かな戦闘服だった。
この“知的な反抗”の装いが、のちにロンドンの若者たちに種を撒く。
60年代初頭、イギリスで芽吹いたモッズたちはその種を見事に育てた。
労働者階級の青年たちが、黒人音楽を愛し、ジャズのクールさを真似て、完璧に仕立てられたスリムスーツに身を包む。
スリムパンツは、"貧しくても美しく在れる"という矜持の象徴だった。
その美意識を最も見事に翻訳したのがビートルズやローリング・ストーンズ。
彼らは舞台の上で、“整いすぎた大人の世界”を嘲笑うように、脚を細く絞り、音を鳴らした。
反逆が、エレガントな形を得た瞬間だった。
だがこの英国的スタイルは、やがて海を渡り、アメリカで別の表情を見せる。
ボブ・ディランの黒いスリムパンツは、モッズの洗練を纏いながら、詩人のような孤独と反骨を孕んでいた。
彼の細身の足取りは、"言葉"で闘うための武装だったのかもしれない。
ギターとその線の細い体躯で、彼は権威にも、ジャンルにも、イメージにも背を向けた。
そして70年代、ラモーンズがそのスタイルを再び粗野に引き戻す。
ニューヨークのストリートで、彼らはスリムジーンズを制服のように穿き、
革命でも夢想でもない、“現実の反抗”を鳴らした。
破れた膝も、擦り切れた裾も、もはやスタイルではなくサバイバルの証だった。
細身のパンツは、もはやビートの詩人やモッズの紳士たちのものではない。
労働者のリアルな叫びそのものになったのだ。
ビートからモッズへ、モッズからロックへ、ロックからパンクへ。
細身のパンツは時代の中でかたちを変えながら、一貫して"支配へのNO"を脚で表現しつづけた。
音が消えたあとも、その線は残る。
それは今も、反逆の美学を穿きつづける者たちの脚に、確かに息づいている。
そして今日、僕らが選ぶ細身のパンツもまた、
単なるトレンドではなく、“自分らしさを守るための静かな抵抗”なのかもしれない。
時代がどれほどゆるく流れても、一本の細い線があるだけで、スタイルは再び研ぎ澄まされる。
その線を穿くことは、ロックの記憶を纏うことだ。