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▪️JACKET:COLLETIN by ANATOMICA(54)
▪️TOPS : BIG A CHAMBRAY by ANATOMICA(16)
▪️BOTTOMS:618 TAPERED D.INDIGO by ANATOMICA(35)
▪️SHOES:PUNCHED CAP TOE KID LEATHER by ALDEN(10D)
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青は、世界の労働を結びつけてきた色だ。
フランスの工場で擦り切れるまで着込まれたモールスキンジャケットも、
アメリカの鉱山や鉄道で働く者たちを支えたデニムやシャンブレーも、
そして日本の田畑を守り、庶民の暮らしに寄り添った藍染の手ぬぐいも
それぞれ異なる風土と歴史のなかで生まれたにもかかわらず、不思議と同じ"青"にたどり着いている。
この事実は、単なる染料の選択や経済合理性だけでは語りきれない。
汚れを隠すためなら黒や茶といった色もあったはずである。
しかし世界中で、労働者が纏ったのは青であった。
そこには人間が共有する普遍的な感覚が潜んでいる気がしてならない。
青は空と水の色であり、人が働き、生きる場そのものの象徴である。
畑を耕し、汗を流し、空を仰ぎ、水に潤される。
その営みの根源に寄り添う色として、青は世界各地で選ばれたのである。
この選択はやがて、グローバルな交流と工業化の流れによってさらに強固なものとなった。
インディゴは植民地経済のもとで世界に流通し、合成染料の登場によって安価で均質な青が地球規模で普及した。
結果、
フランスのブルートラヴァイユも、
アメリカのワークウェアも、
日本の藍の仕事着も、
互いに影響し合いながら"労働の青」"という共通言語を形づくっていったのである。
このスタイリングは、その普遍の青を重ね合わせた試みだ。
フレンチワークの象徴であるモールスキンジャケット、アメリカの労働を物語るデニムとシャンブレー、そして日本的な藍の手ぬぐい。
これらを同時に身につけることは、異なる土地の労働文化を一つの身体の上で響き合わせる行為であり、偶然の重なりではなく必然の連続である。
青はただの色ではない。
人類が同じ種として、働き、生きてきた証であり、普遍的な営みを象徴する色なのだ。