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▪️JACKET:HOBERBAU by ANATOMICA(54)
▪️TOPS : GRAY TEE SHIRT 88/12 by MSG & SONS(L)
▪️BOTTOMS:CHINO Ⅱ by ANATOMICA(34)
▪️SHOES:INDY BOOT CHAMOIS NAVY by ALDEN(9HD)
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死を恐れることは、生を曇らせることだ。
ドクロは、アートにおいては静かな教訓として描かれてきた。
17世紀のヴァニタスは、花の隣に骸骨を置き、
美も若さも、やがて土に還ることをそっと教えていた。
メメント・モリの言葉が示すように、
死を忘れないことこそ、
いまを真摯に生きることに繋がると人は気づいていた。
そしてその教訓は、いつか怒りへと姿を変える。
ロックやパンクが生まれた時代、
ドクロはもう静かな象徴ではなかった。
ギターのフィードバックとともに叫ばれ、
ステージの上から、既存の価値観に中指を立てていた。
「死は避けられない、ならばどう生きるか」
その問いへの答えとして、スカルは背中や胸元に刻まれてきた。
そんな歴史を知ってドクロのアイテムを身にまとうとき、
それはただのプリントじゃない。
ひとつの覚悟を、
他者にも自分にも見せつける行為だ。
恐れを抱えながら、それでも笑う。
終わりを知っているからこそ、全力で生きる。
そんな生き方のアティチュードが、
このモチーフには込められている。
ドクロを着るということは、
死を煽ることでも、死を美化することでもない。
死を知り、それでもなお生を肯定する――
その人なりの姿勢の現れなのだ。